感覚教育について
モンテッソーリ・メソッド と 音楽教育
モンテッソーリ教育
イタリアの女医マリア・モンテッソーリ(1870-1952)により考案され、
教育的幼児教育論にとどまらず、自然科学の視座からの、人格教育方法論です。
人間の五感(感覚)に沿ったメソッドが展開され
その根源の土台は、世界の誕生(創世)というスケールです。
特徴としては、人間の五感や脳(精神・身体)の発達に着目し、
生命現象をよく観察し、教師(大人)が根拠に基づいた関わりをすることで、
子どもの成長の方向である「自立」を正しく導くことができるといいます。
ここで言う「自立」とは、色々なことが一人でできるようになっていくことですので、
自発的であるということが、最も重視されることの一つと考えられています。
従って、大きな目的の一つに、「自主・自立・自律」があります。
参考サイト
5つの段階
モンテッソーリ教育は、
発達段階に沿って5つの段階に分けて感覚と運動(教具)が考えられており、
それぞれに目的や誤りの訂正等が規定されています。
① 日常生活の練習 | |
② 感覚教育 | |
③ 数教育 | |
④ 言語教育 | |
⑤ 文化教育 |
このうち日常生活の練習は、自立心の育みに大きく関連しています。
この教育法の特徴は、感覚と運動を通して
集中力だけでなく、独立心や忍耐、情緒の安定、秩序など、
幼児期に総合的な発達を遂げていく=自立と自律 という点であると思います。
感覚教育は、子どもの探求心をも満たす内容であり、
大きな成長が期待できると考えています。
従って、成長を遂げたことは
その子どもの姿によく現れますが、
外見同様、内面においても顕著であると考えられます。
音楽教育 と 自発性
音楽教育の方向との共通点を考えてみましょう。
*手は知性の道具
*感覚器官と運動器官を使う(実技)
*集中力を養う
等がありますが、最も大きな共通点は、
「全人格的教育(成長含)」であると思います。
ピアノの実技は、自分一人でするもので
「失敗経験の機会」で成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
また、幼児期のピアノ演奏においては、
その演奏においても全人格的成長が現れると考えます。
楽器演奏において大切なことの一つに、内面(精神発達)と自発的な心の動きがあります。
いずれも、相乗効果の結果、得られるものです。
自発性 と 自己教育力
更に、自発性と脳の活性化には深い関係があります。
自発的な心の動きは、「自己教育力」によって生じます。
自己教育力は、無意識などから生じる力のひとつであると考えています。
結論として、発達の観点から考える場合、
3-4歳、5-6歳ごろに、表出する人格、心理や能力は、
0歳からの経験によるところも大きい
と捉えることができると思います。